『聯珠詩格』全作品テキストデータ

『聯珠詩格』タイトル

底本

『精刊唐宋千家聯珠詩格』 二十巻

宋・于濟 / 蔡正孫 編

大窪行(天民 / 詩佛) 校

文化元年(1804年) 須原屋孫七等 刊


データ作成の基本方針

このページには、『聯珠詩格』全20巻の全作品を収載している。上記の底本に従うことを基本とするが、明らかに誤っている点、欠けている点等は他本を参考にして改め、補い、その旨を注記した。また、『聯珠詩格』には同一(ないしほぼ同一)の詩が重複して掲載されている例が多いが、それらの詩についても、気付いた範囲で、その旨を注記した。


各詩には通し番号を振り、正字による詩題・作者名を見出しとした。なお底本による作者名が誤っている詩もあるため、気付いた範囲で訂正を付記してある。見出しの次には、正字による白文、続いて、新字体による白文を( )で囲んで記した。その後に、底本と他本との異同など注意点があればそれに触れ、最後に新字体・歴史的仮名遣いによる読み下し文を示した。


読み下し文については底本の訓点を参考にしながらも、構文や意味をより理解しやすい訓読になるよう手を加えたが、あくまで私が最も適切と考える一例を示したにすぎず、他の訓読法も当然あり得るし、私の読みが明らかに誤っている場合もあるかと思われる。ご指摘、ご批正等あればコメントいただければ幸いである。


データの利用方法

あらためて説明することでもないが、[Ctrl]+F で検索ボックスを表示させて目的の語句を検索することができる。しかし、本テキストデータに関しては、字体の違いによって検索にヒットしない事態が容易に想像される。


例えば、本データにおいては、「劍」を「剣」の正字として扱っている。したがって正字白文中では「劍」字で統一されているため、もし「劔」を正字だと考えている人が「劔」で検索しても、一切ヒットしない。一方、新字体は新字体で、どこまでを新字体と認めるかの問題があり、本データベースでは常用漢字ではない略字は新字体として扱っていないため、「蛍(正字は螢)」は新字体として用いているが、「鴬(正字は鶯)」は用いない。よって「鴬」を新字体だと考える人が「鴬」でいくら検索しても何もヒットしない。


これではデータベースとしての機能が著しく損なわれてしまう。本テキストデータにおいて正字として用いる字、新字体として用いる字をすべて頭に入れてから検索しろというのでは、誰も利用しようとは思わないだろう。

そこで、本テキストデータにおける正字・新字体の基準に従って自動的に字体を変換するWebツールを作成した。

本テキストデータにおける、正字白文・新字体白文・読み下し文はすべて上記ツールによる変換を経ている。したがって、検索したい語句についてもいったん上記ツールによる変換を経てから検索にかければ、字体の違いによる検索漏れはなくなる。先に挙げた例でいえば、「劔」で検索しようとしていた人もツールによって正字の「劍」または新字体の「剣」に変換されるので、これらで検索をかければきちんとヒットする。ひと手間余分にかかるが、利用してもらえれば、より確実な検索結果を得られる。


本文テキスト

本テキストデータは上記の通り、検索の用に供することを目的として作成したものだったが、その後に事情が変わった。[Ctrl]+F による検索はシンプルといえばシンプルだが、応用が利かない。「詩題に限って検索する」などということもできない。本格的な検索環境を提供するためにはやはりきちんとしたデータベースを組み、それを簡単かつわかりやすく操作できるツールを作製したほうがよいと思い直し、以下の漢詩データベース検索Webアプリを自作した。

このWebアプリにはすでに聯珠詩格の全作品データが登録済みであり、検索目的であれば、こちらのツールを利用してもらったほうがよい。自動的に字体を変換して検索する機能も備わっている。


検索アプリが完成したことにより、テキストデータのほうの存在意義は変化したが、なくなったわけではない。検索ではなく、閲読が目的であれば、検索アプリよりテキストデータのほうが有用である。たとえば第3巻収載の詩を順番に読んでいくというのは、検索ツールでは不可能であり、テキストデータを利用するしかない。よって、検索アプリとテキストデータは、内容としては同じデータを扱っているが、目的によって使い分けて利用してもらいたい。


検索目的であれば、全テキストを同一ページに掲載する利点が大きい(もしくは必須である)が、閲読目的であればその必要は全くない。これは管理上の都合なのだが、全テキストを1ページに掲載すると、編集画面が耐え難いほど重くなり編集作業が著しく困難になってしまうので、必要がなくなった以上は避けたいし、避けざるを得ない。よって全テキスト一括掲載はやめて、以下のとおり4巻ずつ分割して掲載することにした。本文テキストは各ページで閲読してもらいたい。


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